【合格体験記】MOS Excel エキスパートに52歳・経理マンが合格!独学で挑んだ「受験前の準備」と「本番のコツ」

エクセル・実務

少し時間が経ってしまいましたが……MOS Excel エキスパートに合格しました。

52歳、普段は経理の現場で毎日Excelを触っている私が、あえて「上級」に挑戦してみた記録です。一般(アソシエイト)と違って、エキスパートは高度な関数・ピボット・What-If分析まで問われる、実務者でも油断できない試験でした。

「実務でExcelを使えているのに、なぜかエキスパートで手こずる」──その理由と対策を、これから受ける方に向けて正直に書いておきます。同じように働きながら上を目指す方の役に立てば嬉しいです。

MOS Excel エキスパートは「一般」と何が違う?

MOS(Microsoft Office Specialist)は、Officeソフトの操作スキルを証明するマイクロソフト公認の資格です。Excelには**「一般(アソシエイト)」と「エキスパート(上級)」の2レベル**があり、私が挑んだのは上級のエキスパートです。

ざっくり言うと、一般が「基本的な表・数式・グラフを正しく作れるか」を見るのに対し、エキスパートは次のような一段深い実務機能まで問われます。

  • 条件に合うデータだけを集計する高度な関数(SUMIFS・COUNTIFS・AVERAGEIFSなど)
  • 検索関数(VLOOKUP・XLOOKUP・INDEX/MATCH)の使いこなし
  • 数式を使った条件付き書式・データの入力規則
  • ピボットテーブル・ピボットグラフによるデータ分析
  • What-If分析(ゴールシーク・シナリオ)
  • マクロを含むブックの管理・保護・テンプレート化

そして重要なのは、MOSは知識を問う筆記ではなく、実際にExcelを操作して課題をこなす「実技試験」だということ。この「操作の正確さ・速さ」を上級レベルで求められるのが、エキスパートの難しさです。

———- ボックスA(この記事の前提/ヒント枠) ———-
この記事の前提
MOSは対応バージョン(現在は「MOS 365」)や出題範囲が改定されることがあります。科目名・機能・画面は筆者受験時点のものとして読んでください。これから申し込む方は、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

【受験前の準備編】実務者ほどここでつまずく

① 「独特なインターフェース」に、とにかく慣れておく

まず声を大にして言いたいのが──MOSの試験画面は、普段使っているExcelとはかなり勝手が違うということです。

画面の下側に問題文(指示)が表示され、その指示を読みながら上側のExcelを操作していく、という独特のレイアウト。問題文とワークシートを行き来しながら、限られた画面で作業を進めます。これに慣れていないと、操作自体はできるのに、指示の読み取りと画面移動で時間を溶かすという事態になります。

とくにエキスパートは1問あたりの操作ステップが多く、指示も「〜の条件を満たすセルに、〜の書式を、数式を使って設定せよ」といった複合的なもの。実務でExcelをバリバリ使っている人ほど「自分は大丈夫」と油断しがちですが、操作スキルと試験の段取りは、まったくの別物です。

———- ボックスB(模擬試験教材の対策/チェック枠) ———-
対策:模擬試験プログラムつきの教材を必ず選ぶ
本番そっくりの画面で解ける模擬試験プログラム付きのテキストが鉄板です。紙で読むだけでなく、あの独特の画面を何度も体験しておくと、本番の「初めまして感」が消え、操作そのものに集中できます。エキスパートは範囲が広い分、模擬試験の反復が効きます。
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② 高度な関数は、引数まで完璧に覚える

一般レベルなら、うろ覚えでもオートコンプリートでなんとかなります。しかしエキスパートの関数は引数が多く、順番も複雑。ここが曖昧だと、本番で必ず手が止まります。

とくに要注意なのが複数条件の集計関数。SUMIFS・COUNTIFS・AVERAGEIFSは「合計範囲 → 条件範囲1 → 条件1 → 条件範囲2 → 条件2……」と引数の並びが独特で、SUMIF(単数形)とごちゃ混ぜになりがちです。検索関数(VLOOKUP・INDEX/MATCH)や論理関数のネスト(IF・IFS・AND・OR)も、引数の意味まで含めて手が勝手に動くレベルまで仕上げておくと、本番が驚くほどラクになります。

関数そのものの覚え方や、この膨大な数をどう暗記したかは、別記事にまとめています。合わせてどうぞ。

MOS Excelエキスパートの関数が多すぎる問題、NotebookLMのフラッシュカードで解決してみた
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③ グラフ・ピボット・What-If分析も、手順ごと反復する

エキスパートでは、グラフに加えてピボットテーブル/ピボットグラフ、そしてWhat-If分析(ゴールシーク・シナリオ)まで操作が問われます。これらは関数と違い、検索でごまかしにくく、「どのメニューのどこをクリックするか」という手順そのものが試されます。

だからこそ、対策は「手順を丸ごと反復」が正解。ピボットの集計フィールド設定、シナリオの登録、ゴールシークの数式セル指定──この一連の流れを、体で覚えるまで繰り返しました。私はここを直前に詰めて正解でした。

なお、勉強法そのものにAIを取り入れた話は、こちらにまとめています。

MOS Excelエキスパートの試験対策にAIを使ったら、勉強が変わった話
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実務者ほど注意
「ピボットもグラフも作れる」と思っていても、試験は指示どおりの集計項目・種類・書式を正確に再現できるかを見ます。自己流の作り方ではなく、王道の手順を押さえておきましょう。

【受験本番編】メンタルと時間配分がすべて

準備が整えば、あとは本番です。ここでは「知っているだけで落ち着ける」3つのコツを。エキスパートは1問が重いぶん、この3つの効き目が大きいです。

① 長いテーブルや複雑な表組みに、惑わされるな

エキスパートでは、画面いっぱいに広がる長大なテーブルや、複数シートにまたがる複雑な表が出てきます。パッと見た瞬間、「うわ、これは面倒くさそう……」と身構えてしまう。

でも、落ち着いてください。見た目のボリュームと、実際にやる操作の難しさは別です。数百行のテーブルでも、指示は「この列に条件付き書式を1つ」「この範囲を並べ替え」だったりします。テーブルが長いほど、むしろ操作は範囲選択(Ctrl+Shift+↓など)で一発。表の長さにビビって時間を使わないことが肝心です。

② わからない問題は、飛ばして進め

これは鉄則です。1問に固執して時間を溶かすのが、いちばんもったいない。詰まったら潔く飛ばして、次へ。そして最後まで一通り終えてから、飛ばした問題に戻る。

全問を眺めた後だと、不思議と「あ、さっきの問題これで解けるじゃん」と気づけることがあります。頭が試験モードに温まってくるからです。エキスパートは配点が操作単位で細かいので、取れる操作を確実に拾うほうが得点は伸びます。完璧に1問を仕上げるより、全体で拾える点を拾いましょう。

———- ボックスD(ミニテクニック/チェック枠) ———-
ミニテクニック:レビュー機能を使う
MOSの試験画面には、後で見直したい問題に印をつけておける機能(レビュー機能)があります。飛ばした問題に印をつけておくと、あとで戻るのがスムーズ。※画面表示は受験時点のものを確認してください。

③ 周りの「できた気配」に、焦るな

試験会場では、周りの人が先に手を止めたり、席を立ったりする気配が伝わってきます。「え、もう終わったの……?」と、これが地味にメンタルを削ってきます。

でも、周りは自分と違う試験・違う科目を受けていることもあるし、そもそも人のペースは自分の合否に関係ありません。**見るべきは、自分の画面と残り時間だけ。**周りの気配は、意識してシャットアウトする。私はこれを言い聞かせて、最後の見直しに集中できました。

———- ボックスE(本番3か条まとめ/ポイント枠) ———-
本番3か条まとめ
  • 表の長さに惑わされない(見た目 ≠ 難しさ)
  • 詰まったら飛ばす → 最後に戻る(取れる操作を確実に)
  • 周りは気にしない、見るのは自分の画面と時計だけ
———- ボックスF(経理マンの一言/プロフィール枠) ———-
経理マンの一言
正直に言うと、「毎日Excelを使っている経理マンが、いまさらエキスパートを受ける意味があるのか?」と迷いました。答えは──大いにありました。

理由のひとつは、エキスパートの出題範囲が、経理実務とほぼ重なっていること。SUMIFSでの条件別集計、ピボットテーブルでの明細分析、What-If分析でのシミュレーション──どれも月次資料や予算実績の管理でそのまま使う道具です。試験勉強が、そっくり実務のスキルアップになりました。「これ、あの関数で一発だったのか」という発見が何度もあり、日々の集計時間が地味に減っています。

もうひとつは、「Excelの上級スキルがあります」を客観的に証明できること。経理は数字の信頼が仕事です。その数字を扱う道具=Excelの上級スキルを、第三者(マイクロソフト)が保証してくれる。これは社内評価でも、転職市場でも、確かな説得力になります。一般ではなくエキスパートまで持っていると、「ただ使える」から「使いこなせる」への一線を越えた証明になります。

実務経験がある人ほど、エキスパートの勉強は「知識の棚卸し」として効率よく効きます。忙しい経理パーソンにこそ、一段上を目指す価値がある資格だと感じました。

まとめ:働きながらでも、上級は獲れる

最後に、この記事のポイントをもう一度だけ。

**【受験前】**模擬試験つき教材で独特の画面に慣れる/高度な関数は引数まで/グラフ・ピボット・What-If分析は手順ごと反復。

**【本番】**表の長さに惑わされない/詰まったら飛ばして最後に戻る/周りは気にしない。

特別な才能はいりません。**正しい教材で、正しい準備をして、本番で落ち着く。**それだけで、働きながらでもエキスパートはちゃんと獲れます。実務でExcelを触っている人なら、むしろ有利です。この記事が、あなたの背中を少しでも押せたら嬉しいです。

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